学生生活に影響が出ているみなさんへ

新型コロナウイルス感染症によって、アルバイト収入が急減するなど、学生生活に影響が出ている学生に向けたFPによるコラムを掲載しています。

AFP認定者 荒木 千秋

闇バイト、ネットワークビジネス…儲け話には要注意!

 「新型コロナウイルスが流行りだしてから2カ月で、ネットワークビジネスの話を5人にも持ちかけられた」「昔からの知人に実態のわからない投資に誘われた」といった話を学生から聞きました。
 みなさんの中には、自粛期間中、アルバイトが休みになって収入が減ってしまった人もいるかもしれません。そのような状況を利用して、高額な報酬を謳い文句とした闇バイト、ネットワークビジネス、詐欺的な投資への勧誘が増えています。
 このような金銭的なトラブルに巻き込まれないためのポイントと対処方法をお伝えします。

学生を狙ったトラブル、どんな手口があるの?

 お金に困っていると判断能力が鈍ってしまい、トラブルに出くわしたときに正しい判断ができないこともあるかもしれません。正しい判断ができないと、犯罪行為に巻き込まれたり、するはずもない借金をしてしまったりする可能性があります。トラブルに巻き込まれないためにも、SNS上や知人・友人からの儲け話には注意が必要です。
 具体例を見ていきましょう。

(1)きっかけはSNS! 闇バイト

 闇バイトとは、SNSなどを通じて高額な報酬を提示して振り込め詐欺などの特殊詐欺の実行犯を募集している犯罪行為のこと。SNSには、“闇バイト”や“裏バイト”などのハッシュタグがつけられ書き込みがされています。「高額でノーリスク」と安全性をアピールしたり、“バイト”と呼んで始めるハードルを低くしたりしていますが、安全でもバイトでもありません。

 筆者が銀行で働いていたとき、男子大学生が新規の銀行口座を開いて、口座売買に加担した事件に出くわしたことがあります。口座を売買すれば、簡単に数万円が手に入るかもしれませんが、それは犯罪行為。売却した口座は、振り込め詐欺の振込口座やマネーロンダリングなど犯罪に利用されてしまいます。

 数万円の代償として、犯罪行為に加担したことで、口座が凍結され、逮捕されることもあります。そうなると、就職活動やその後の人生を棒にふることになってしまいます。また、反社会的勢力と関わることになるため、個人情報が悪用されたり、脅されたりするなど自分自身にも危険が及ぶ可能性があります。高額を稼ぐことができるのは必ずそれなりの理由があるもの。おいしい話はあり得ないのです。

(2)知人の紹介で……マルチ商法

 マルチ商法とは、健康食品や化粧品などの商品やサービスを契約して、自分がその組織の勧誘者となり、別の人に商品を売って紹介料などの報酬を得る方法です。「ネットワークビジネス」などと呼んで勧誘されるケースもあります。

 現代は、スーパーのレジ係、カフェ店員など時給が決まっているアルバイト以外にも、お金を稼ぐ手段は存在します。そのため「紹介された稼ぐ方法を知らない私はダサい?」と不安になったり、「友達がやっているなら、簡単に稼げるかもしれない」と錯覚したりしてしまうことも……。さらに、「不労所得につながる」「人脈が広げられて将来につながる」など、将来への不安な気持ちを利用して興味関心を誘うケースもあります。知り合いからの誘いであっても、実態や儲けの仕組みがわからない話には注意しましょう。

(3)絶対儲かる話はない! 詐欺的な投資の勧誘

 「儲かる投資がある」「新しい仮想通貨ができて、投資すれば絶対に儲かる」などの詐欺的な投資の勧誘がトラブルになっているケースもあります。投資の知識がないと信じてしまいそうになりますが、投資の世界には“絶対儲かる商品”はありません。

 投資商品の販売を職業としている人たちは、金融商品取引法など国が定めたルールを守りながら勧誘を行っています。それらのルールには「断定的な判断の禁止」というものがあって、絶対儲かるなど「断定的に言い切って投資商品を販売してはいけない決まり」があります。ルールを守って投資商品を販売しているプロは断定的な言葉を使うことはありません。

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