FPからのメッセージ

相談経験豊富な3人のFPによる、今伝えたい「お金にまつわるメッセージ」。
それぞれの観点から見えてきた「戦略」を、3回にわたってご紹介します。

あなたの夢、本当にかなえられる?

戦略3:専門家の活用 ~将来に向けて一歩を踏み出そう~

 豊かな人生のために、お金について自分で知識を身につけるのはもちろんですが、FPに相談するという選択肢もあります。専門家のサポートを受けることでどう変わるのか?CFP®認定者の竹下さくら氏に実体験も交え語っていただきました。

金融経済の知識が人生100年時代を豊かにする

竹下さくら氏(CFP®認定者)

 「自分はそんなに長生きしない」とおっしゃる方もいますが、名前と寿命といった大事なことは、残念ながら自分で決めることができません。長生きする可能性がある以上、きちんと向き合い、考えておいた方が安心ですね。
 リタイア後、お金が足りなければ子どもに負担をかけることにもなりかねず、愛情をかけ頑張って育てたのに、むしろ子に負担をかけることになる、といった心配も出てきます。

 現役時代にはキャリアアップや結婚、住宅取得、子育てなど、それぞれのバランスを図りながらライフプランを実現させ、同時に次のステージを考え準備を進める、ということが大切です。マネープランを立てることは、どんな家を持つか、教育費にどの程度のお金をかけるか、何歳まで働くかなどを長期的な視点で考えることであり、人生の選択肢を増やすことにも繋がります。

大切なのは情報ではなく、考えること

 Webサイトなどにもお金の情報は溢れていますが、信頼できる情報か、そうでないかを見極めるのは難しいものです。また、一般的な情報は平均値で語られていますが、「平均的な家計」など、どこにもありません。我が家は教育にお金をかける、住まいを重視するなど、お金との付き合い方は個々の状況や価値観によって個性があっていい。望む生き方を叶えるために、情報に自らを合わせるのではなく、主体的にお金について考えることが大切なのです。

 例えば「教育費を準備するには、学資保険とつみたてNISAのどちらがいいか」といったテーマで情報を探すと、つみたてNISAが有利、というものがほとんどです。確かに、少額ずつ、時間分散、資産分散を図りながら長期で資産形成をする、つみたてNISAはメリットの多い制度ですが、お金の使い方や性格によっては学資保険が向いている場合もあります。情報はあくまで情報であり、自分に合った方法は何かを知るには、FPや専門家などのコンサルティングが有効です。

FP相談はコンサルティングであり、カウンセリング

 お金について不安を感じるのは、問題を正しく認識していないからです。それでは暗闇を歩くようなもので、どこに落とし穴があるのか、この道で合っているのか、と不安になります。
 解決すべき問題とご自分に合った対策が見つかれば、目指すべきゴールに向かって進むことができます。その案内をするのが、FPの役割です。
 保険の相談などでも、単に商品を比較検討するのではなく、家計の状況やライフプランなどを踏まえたうえで、いくらの保障が、いつまで必要かを考える必要があります。

 また、FP相談によって、想定していなかった方向に話が進むこともあります。例えば、「離婚したいのでお金の相談をしたい」という相談では、家計の見直しをご提案したことで離婚が回避されたケースもあります。お金がないから揉めているのであり、家計を改善すれば修復の可能性がある、とみられたからです。
 教育費についての相談では、費用の準備だけでなく教育方針について、ご夫婦で改めて話し合いが持たれたこともあります。
 FPという第三者を介すことで問題が整理されたり、冷静になれたり、ライフプランについて改めて考える機会になったりすることがあるのです。そういった意味で、FP相談はコンサルティングであり、時にカウンセリングに近いものといえます。特にお金のことは近しい人にも話しにくく、「親にも相談できないことでもFPには話せる」という声も聞きます。

 有料相談はハードルが高いと感じるかも知れませんが、住宅ローンの組み方や見直しによって返済負担が1,000万円前後軽減されるといったケースもあります。
 最近は日本FP協会の「CFP®認定者検索システム」で情報を得て、相談を申し込まれる方も増えています。医師を選ぶときと同じように、得意分野や実績を調べてFPを選ぶのもいいと思います。

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