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モバイルで手軽なパーソナルファイナンス教育‐マレーシア‐
マレーシアのCFP®認定組織Financial Planning Association of Malaysia(FPAM)が開発した生活者向けのパーソナルファイナンス(PF)教育を提供するモバイルサイト、「smartfinance.my」が2018年7月にオープンしました。
FPAMは、生活者がしっかりとしたPF教育を受けることができ、「認可されたファイナンシャル・プランナー(FP)」へ誰でも簡単にアクセスすることができるようにすることを目的に、2016年1月にこのプロジェクトをスタートしました。FPAMは「smartfinance.my」の開発にあたり、行政機関から資金援助を受けています。
「smartfinance.my」モバイルサイトでは、誰でも簡単にアカウントを作ることができ、お金に関するビデオレッスンや自分だけのキャッシュフロー表の生成、計算機能が手軽に利用できるほか、「認可されたFP」の検索システムを利用して、「Connect」ボタン一つでそのまま気に入ったFPに連絡を取ることができます。
なお、マレーシアで「認可されたFP」と名乗るためには、マレーシア証券委員会(SC)の認可を受ける必要があります。これについては70%の生活者が認知していますが、認可されたFPかどうかの見分け方について「知っている」と回答した生活者は28%に留まっています。
このことが、「認可されたFP」のみにアクセスすることができる「smartfinance.my」開発の動機の一つとなっています。
マレーシアの「認可されたFP」
「認可されたFP」になるためには、以下のステップを踏む必要があります。
ステップ1
以下の試験のどれかに合格し、各要件を充たして資格の付与を受ける。
または、①②についてはマレーシア証券委員会(SC)が定める3課目のみの試験合格でも可とする。
①FPAMが実施するCFP®試験、または、IFP試験※
②マレーシアFP協議会(MFPC)が実施する「登録ファイナンシャル・プランナー(REP)」試験、または、「シャリア登録ファイナンシャル・プランナー(Shariah REP)」試験
③マレーシアFP/FA協会(MFPAA)が実施する「公認ファイナンシャル・コンサルタント(ChFC)」試験
※ IFP(Islamic Financial Planner)資格とは:
マレーシアのCFP®認定組織FPAMと、イスラム金融商品の適格性の認証などを行う第三者機関であるIBFIM(イブヒム)が連携してプログラム提供を行う、イスラム金融商品とマーケットに特化したFP資格。
ステップ2
マレーシア証券委員会(SC)に申請し、CMSRL(Capital Markets Services Representative's License)資格の付与を受ける。
○その他要件:21才以上/資格の維持には1年間に継続教育20単位が必要 など。
「認可されたFP」となるためのステップの一つとして、CFP®試験がマレーシア規制当局の指定を受けているところがポイントです。
なお、FPSBが加盟組織の協力のもと、2015年に世界の生活者を対象に実施した「グローバル生活者調査」では、マレーシアの生活者の55%が「CFP®資格を知っている」と回答しました(世界の平均:23%)。また、「FPのサービスを利用した/利用することを検討したことがある」と回答した生活者は91%にのぼり(世界の平均:19%)、同国ではCFP®資格の認知度が高いだけでなく、ファイナンシャル・プランニングが急速に広がる新しい産業として広く認知されていることが明らかになっています。