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2022年4月号(2)
保険
CFP®認定者 髙村 浩子

上がる火災保険!我が家流リスク管理を見直そう

 近年発生している大規模な自然災害の影響もあり、2022年中に住宅火災保険の保険料が引き上げられると見込まれています。
 今回は、住宅火災保険の保険料がどのように定められているのか。また、今後も大規模災害等の頻発により保険料が上がり続けると仮定した場合の家庭での対応策について整理していきましょう。

住宅火災保険料の仕組み

 住宅火災保険に関わらず損害保険の保険料決定は3つの統計データが基となっています。事故や災害の発生確率を導き出す「大数の法則」、発生確率の高低にあわせて保険料が決まる「公平の原則」、保険料の総額と保険金の総額を等しくする「収支相当の原則」です。
 各保険会社はこれらを基にして、保険金の支払いに充てられる部分の純保険料と保険事業を行うために必要な経費などに充てられる部分の付加保険料を算出し保険料を決定する仕組みになっています。

度重なる値上げは何が影響しているのか

 住宅火災保険の保険料改定については保険会社ごとに様々な理由があり、過去を振り返って見ると、建物構造に関する法律の改正や支払う保険金の種類によるリスクの増加などがあります。その中でもここ数年に関しては、自然災害の多発が収支相当の原則に影響を与え火災保険参考純率※が引き上げられていることが大きいと言えます。
 住宅火災保険と同時加入ができる地震保険についても、昨今の大規模被害の影響を受け2017年から2021年にかけて段階的に改定が行われ、本来必要な水準へと見直しが図られています。

※火災保険参考純率とは
 損害保険料率算出機構などの料率算出団体が算出する純保険料率(事故が発生したときに、保険会社が支払う保険金に充てられる部分)のことで、一般的に料率算出団体は会員保険会社から収集した大量の契約・支払データのほか、各種の外部データも活用して火災保険の参考純率を算出し、会員保険会社に提供しています。

家庭では総合的なリスク管理を

 自然災害が頻発している状況下での住宅火災保険の加入は、前述した保険料の値上がり傾向からもおおきな家計負担となっていくでしょう。
 そんな中、少しでも家計への負担を減らすための対応策として2つの視点に目を向けてみてはいかがでしょうか。
 1つ目は、個別リスクの洗い出しです。自身が居住している地域や住んでいる建物がどのようなリスクを抱えているのかをハザードマップや住宅性能評価等で確認し、加入している補償に過多がないかを確認し整理することです。
 2つ目は、家庭のリスク費用の個別準備です。住宅火災保険に限らず、保険では「免責金額」を設定することで保険料が下げられる可能性があります。例えば、水災により50万円の被害が出た一方で、10万円は自己負担(免責)するという仕組みです。家庭には車や家といった物的リスクと病気や怪我といった身体的リスクがあります。それらリスク費用をトータルで考え、個別準備をすることをお勧めします。

まとめ

 直近の参考純率の引き上げは全国平均で10.9%となっていますが、その中身は建物の構造や地域によって様々です。自身が居住している住宅についてはどうなのかを確認し、現在の契約内容を確認するとことと併せ、総合的に家庭のリスク管理を始めるきっかけとしてはいかがでしょうか。

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