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教育訓練給付金制度を使って、お得に学んでキャリアアップ!
定年退職年齢が引き上げられ、仕事で求められるスキルも変化する現代。時代に必要とされる仕事をするために、自らキャリアプランを考え、ビジネススキルを積み上げながら継続的にキャリアアップすることが求められる時代に向かっていると言えます。
「昇給につなげたい」、「人材が不足している業界に転職したい」など、必要な資格を取得してキャリアアップしたいと思ってはみても、実行できずにいた経験はありませんか?
2022年6月発表の令和3年度能力開発基本調査(厚生労働省)では、正社員が資格取得などの自己啓発を行う際の問題点として、①仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない、②費用がかかりすぎる、③家事・育児が忙しくて自己啓発の余裕がない、の回答がトップ3になっています。
そこで今回は、上記の問題点を踏まえ、資格取得などにかかる費用の一部をハローワークから受け取ることができる教育訓練給付金制度について見ていきましょう。
教育訓練給付金制度とは
雇用保険に加入している方などが、厚生労働大臣の指定を受けた講座(約14,000講座)を受講し、受講を終了するなど給付条件を満たすと、支払った受講費用の一部が支給される制度です。講義の内容と給付率に応じて教育訓練の種類が3つあります。
教育訓練の種類
①一般教育訓練
受講費用の20%(下限4千円、上限10万円)が受講者に支給されます。簿記検定など公的資格の取得を目標とする講座、大学院の修士・博士の学位取得などの課程があります。
②特定一般教育訓練
受講費用の40%(下限4千円、上限20万円)が受講者に支給されます。介護支援専門員実務研修、税理士など、速やかな再就職や早期のキャリア形成につながる業務独占資格の取得を目標とする講座、デジタル関係の講座があります。
③専門実践教育訓練
最大で受講費用の70%(下限4千円、年間上限56万円・最長4年)が受講者に支給されます。専門性を高めてさらなるキャリアアップを目指す方に向け、業務独占資格取得を目標とする講座、第四次産業革命スキル習得講座などデジタル関係の講座、専門職大学院の課程などがあります。
対象となる方(受講開始日時点の雇用保険加入期間に条件があります。パート・アルバイトや派遣労働者の方も対象です)
①初めて利用する方
・一般教育訓練、特定一般教育訓練を利用する場合は加入期間1年以上の方
・専門実践教育訓練を利用する場合は加入期間2年以上の方
②2回目以降の利用の場合は前回の教育訓練給付金受給以降、加入期間が3年以上ある方
③離職日の翌日から1年以内で上記①または②に該当する方
出産や育児、疾病などで離職した場合など、一定の条件を満たす方は、制度利用期間を最大20年間延長することができます。
制度の利用には、その他、詳細な条件がありますので、制度利用前にお住まいの地域を管轄するハローワークで「支給要件照会」を行うことをお勧めします。
まとめ
教育訓練給付金制度を利用してキャリアアップを目指す場合、特定一般教育訓練と専門実践教育訓練は受講前にキャリアコンサルティングを受けるなど手間がかかる部分もありますが、資格を取得すれば達成感があり、給付金を受け取れば喜びも増します。仕事に対するモチベーションがアップし、新しい仕事との出会いにつながるかもしれません。
具体的な講座は、教育訓練給付制度〔検索システム〕で検索できます。オンラインで受講できる講座や夜間・土日に受講できる講座もありますので、働きながら受講できます。
皆さんも教育訓練給付金制度をご自身のキャリアアップに活用してみてはいかがでしょうか。
- ※バックナンバーは、原則執筆当時の法令・税制等に基づいて書かれたものをそのまま掲載していますが、一部最新データ等に加筆修正しているものもあります。
- ※コラムニストは、その当時のFP広報センタースタッフであり、コラムは執筆者個人の見解で執筆したものです。