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生命保険は必要?見直す際のポイントは?
生命保険文化センターの「令和元年度 生活保障に関する調査」によると、約8割の人が生命保険に加入しています。一方で、加入していない約2割の人には、生命保険は本当に必要ないのでしょうか。そこで今回は、生命保険が必要ないと思われる理由と必要性が高いと思われる人、そして、生命保険を見直す際のポイントについて解説します。
生命保険は必要ないと思われる主な理由
十分な貯蓄があり、病気やケガ、死亡といった万一のことが起きても自身や家族が経済的に困ることはないため。
公的医療保険制度によって医療費の自己負担は最大で3割、さらに医療費の自己負担が一定額を超 えると高額療養費制度が利用可能であるため。また、高齢者及び障害者、遺族の生活を所得面から保障する公的年金制度などの社会保障制度が設けられているため。
身近な人や同年代の人で入院や死亡した人が少ないもしくはいないことから、今は自分事として考えられないため。
生命保険の必要性が高いと思われる人
扶養する家族がいて万一に備えた貯蓄に不安がある人
世帯主に万一のことがあり死亡した場合には、精神的苦痛だけでなく経済的ダメージが遺族にのしかかって来ることや、自身が病気やケガで働けなくなったときに治療費や居住費、生活費などが支払えなくなる可能性があるため。
万一の際に身近に頼れる人がおらず貯蓄に不安がある人
病気やケガで働けなくなったときに治療費や家賃など生活費が支払えなくなる可能性があるため。
一定額以上の相続財産があり相続税対策が必要な人
生命保険金は受取人固有の財産であり、死後に相続人が受け取れるようにすることで、非課税枠が適用されて相続税をなくしたり減らしたりできる可能性があります。
相続税の非課税額:保険金の非課税限度額=500万円×法定相続人の数
生命保険を見直す際のポイント
一番重要なことは、万一のときの備えが準備できているかどうかです。世帯主に万一のことがあり死亡したときは、その後の遺族の住居費・生活費等が必要になりますが、それまでの貯蓄や遺族年金等で生活していけるのか。また、病気やケガ等で入院した場合に健康保険や高額療養費制度を利用したとしても、医療費の自己負担分や公的医療保険の対象にならない自由診療や食事代、日用品の費用なども支払えるのか。さらに仕事を休職することになれば、その間の生活費等は確保できるのかなど生命保険を見直す際のポイントは、この不足分である「必要保障額」をしっかり把握しておくことです。貯蓄などで準備が難しい場合には、生命保険が「必要保障額」を効率よく準備するのに適していると思います。
まとめ
生命保険の必要性は、本人の家族構成や加入している社会保険制度、資産状況などによって異なりますが、ご自身の家庭にとってどんな生命保険が必要なのか、ライフプランニングを行うことで「必要保障額」を算出することができます。「生命保険は必要ない」と思われることもありますが、ぜひこの機会にファイナンシャル・プランナーに相談してみてはいかがでしょうか。
- ※バックナンバーは、原則執筆当時の法令・税制等に基づいて書かれたものをそのまま掲載していますが、一部最新データ等に加筆修正しているものもあります。
- ※コラムニストは、その当時のFP広報センタースタッフであり、コラムは執筆者個人の見解で執筆したものです。