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2022年12月号(2)
ライフプラン
CFP®認定者 大内 優

物価高から家計を守れ! 今日からはじめる家計防衛策

 物価高が止まりません。2022年は、円安の影響もあって、年間で過去最多となる2万品目以上の食料品が値上げされ、家庭や企業を直撃しています。異例の物価高はいつまで続くのでしょうか。物価高から家計を守る、家計防衛策について考えてみましょう。

31年ぶりの水準となった消費者物価指数

 家庭で消費するモノやサービスの値動きをみる2022年10月の消費者物価指数(総務省統計局)は、天候による変動が大きい生鮮食品を除いた指数で、前年の同じ月を3.4パーセント上回りました。
 この指数の上昇率が3%を超えるのは、9月から2か月連続となりますが、その前は2014年4月までさかのぼります。このときは、消費税が5%から8%に引き上げられた影響によるものでした。消費税の影響を除けば、1991年8月以来、31年ぶりの水準となります。
 前年同月と比較して、特に物価が上昇した主なものに、都市ガス代26.8%、電気代20.9%、ハンバーガー(外食)17.9%、携帯電話機16.5%、あんパン13.5%などがあります。

一方で賃金は?

 総務省が公表している毎月勤労統計調査によると、9月分の結果では、現金給与総額は275,787円(前年比2.1%増)となっています。しかし、物価の変動を加味した実質賃金は逆にマイナス1.3%となっています。これは、賃金の上昇が物価の上昇に追いついていないことになります。実質賃金のマイナスは、これで2022年4月から6か月連続です。

物価高での家計防衛策は「固定費にメスを入れる!」

 毎月の家計の支出は、月単位や年単位でコンスタントに支払いのある「固定費」と、状況に応じて臨時的に支出をする「変動費」があります。このうち、まずメスを入れるのは「固定費」です。固定費の方が支払いの総額が大きく、一度見直せば、長期的に節約をすることができるからです。
 特に見直したいのは、スマホ、クレジットカード、保険の3つです。スマホは新しい料金プランに変更したり、不要なサービスや有料アプリを解約することで、節約をすることができます。格安SIMサービスの会社に切り替えれば、毎月の使用料が大幅に減らせることもあります。
 クレジットカードは利用明細をチェックすることです。不必要なサブスク(定期支払サービス)を解約することを検討しましょう。
 保険は保障内容の見直しはもちろんですが、円安も重なり、毎月の支払額の大きくなっている外貨建ての積立型保険などがあれば、減額や一部解約を検討しましょう。

まとめ

 固定費の見直しは目に見える家計防衛策です。目に見えにくいものとして、例えば、食品の購入では1週間分の献立を決めてからスーパーでまとめ買いをする、セール品や見切り品を上手に活用するなど、自分のルールを作るのもよいでしょう。
 またリユースとして、家の中の不用品をリサイクルショップやフリマアプリで販売するのもよいでしょう。モノを大切にすることや衝動買いはしないという気持ちも湧き、節約にもつながります。
 未曽有の物価高が続きますが、工夫しながら家計を守り、楽しみながら乗り切りましょう。

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