バックナンバー
これを知らずに投資はできない!「リスク管理」とは?
2024年から新しいNISA制度が始まり、この制度をきっかけに投資に興味をもち始めた人も多いと思います。
日本銀行によるマイナス金利政策が解除されましたが、低金利が続く日本において、貯蓄とは異なる投資の魅力は、資産を増やすチャンスを得られることです。一方で、忘れてはならないのは、投資でお金が減ってしまう局面もあるということです。その認識がないまま投資を始めてしまうと、相場の下落時に資金面、精神面で行き詰まり、投資を続けることができなくなってしまいます。そこで今回は、投資をする際に知っておきたい「リスク管理」についてお伝えします。
投資における「リスク」と「リスク管理」
まず、投資における「リスク」とは、いわゆる危険や損失という意味ではなく、「価格の振れ幅の大きさ」のことです。つまり、リスクの大きい金融商品は大きな利益が得られるかもしれない一方で、損失も大きくなる可能性があります。リスクの小さい金融商品は、利益が少ないかわりに損失も低減できます。
「リスク管理」とは、投資に伴うリスクを正しく理解し、期待していた利益が得られず、損失となった場合、どの程度までの損失であれば自分の生活等に大きな影響がないのか、自分が許容できるリスクを把握し、その範囲内で投資を行うことをいいます。
リスク許容度を知る方法
リスク許容度は、年齢や収入、家族構成、資産状況、金融知識、投資経験、性格などによります。自分のリスク許容度は、民間サイトなどで簡単に診断でき、リスク許容度に適合したポートフォリオを知ることができます。
また、金融商品によってリスクの大きさがそれぞれ異なります。一般的に、金融商品は預貯金、債券、投資信託、株式の順にリスクが大きくなると認識されています。それぞれの金融商品の仕組みや特徴を十分に理解し、自分のリスク許容度に適合したポートフォリオをもとに、具体的に金融商品を検討しましょう。
投資の三原則を守る
個々人のリスク許容度に関わらず、「長期」「積立」「分散」という投資の三原則を守ることもリスク管理につながります。
長期積立分散投資のメリットとして、複利の効果を活かせるという点や市場の短期的な変動に左右されない点、また、ポートフォリオの安定性などがあげられます。そのため、投資の三原則を守ることで、リスクを低減しながら安定した資産形成が期待できます。
まとめ
投資をする際、「リスク管理」を視野に入れることで、金融市場の動向に一喜一憂することなく投資を続けていくことができます。特に初心者の方は、金融リテラシーを身に付けながら、投資の三原則を実現しやすいiDeCoや新しいNISA制度を活用するのも1つの方法です。リスク許容度に沿ったポートフォリオを検討し、上手に「リスク管理」をしながら無理のない投資をしていきましょう。
- ※バックナンバーは、原則執筆当時の法令・税制等に基づいて書かれたものをそのまま掲載していますが、一部最新データ等に加筆修正しているものもあります。
- ※コラムニストは、その当時のFP広報センタースタッフであり、コラムは執筆者個人の見解で執筆したものです。